いっそあの時逝ってくれたらどんなによかったかと、考えてしまう自分が情けない・・・

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久しぶりに高校時代の友人と会ってゆっくりお茶をしました。
積もる話は山ほどあります。
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「55歳という年齢がもうそこまで来ているんだよね」
と、ポツリと言う友人。
彼女のお母さんは、55歳の時、脳梗塞で倒れました。
私たち、今年50歳。
あと5年で彼女のお母さんが倒れた年齢に到達します。


【介護歴17年】
幸いにして、私の両親はまだ自分たち2人で自立した生活ができるので、私にとって介護というのはまだ未知の世界。
それでも、膝が痛い、股関節が痛い、耳が遠くなった、何度も同じことを言う、などなど、高齢がゆえにあちこち気になることがあります。
いつかは介護が必要になるでしょう。
いつかは親につきっきりで面倒を見なければならない日もくるでしょう。
介護のことを真剣に考えなければならない年齢にきているのです。
そんななか、友人のお母さんの介護のお話は、決して他人事ではありません。
彼女のお母さん=Tさんは、55歳のとき脳梗塞で倒れました。
ダイエットと健康のためと称して、夜間ウォーキングをしている最中でした。
一命は取り留めましたが、右半身に麻痺が残りました。
あれから17年。
はじめのうちは、一生懸命リハビリに励み前向きに取り組んできたTさんですが、年齢を重ねるうちに筋力が落ちてきました。
唯一使える左側の手足も思うように力が入らなくなり、先日とうとう介護度5になってしまいました。
日常生活全面において介助が必要なのです。
この17年間は、Tさんとそのご主人、そして私の友人である娘さんと、家族一丸となってTさんを支えてきましたが、私が想像すらできない葛藤がたくさんあったと思います。
頭はしっかりしているので、思い通りに身体が動かせないことで、相当家族に怒り、当り散らしたとも聞きました。
家族もTさんに振り回され、介護の疲れも溜まっていったことでしょう。
最初は、デイサービスすら受けるのを嫌がっていたTさん。
55歳という若くして介護が必要になったので、デイサービスを利用する方たちが自分よりもはるかに高齢であるがため、その中に自分が入ることを認めたくなかったのでしょう。
それでも17年という歳月は、Tさんの尖った心を削っていくには十分な時間であり、現在は週に数回のデイサービスと、月に2~3回の宿泊介護サービスに行っています。
【あの時逝ってくれていたら】
週の半分は、在宅でTさんの介護をするご主人。
その娘である友人は仕事から帰ってから、お母さんの介護を担当しています。
しかし、友人も中学生である自分の子どもの学校行事や部活やら、家を留守にすることも多々あります。
先日、宿泊の介護サービスで不在であったTさん宅で、友人のお父さんがボソリとつぶやきました。
「オレなぁ・・・
あの時・・・、
いっそあの時、母さんが逝ってくれていたら、どんなによかったかな・・・
って考える自分がいるんだよ。
そんな自分が情けないんだよな・・・」

その話を、目に涙をためながら私に話す友人。
私も大粒の涙がハラハラとこぼれました。
ファミレスの周りの喧騒なんて、まったく聞こえてきませんでした。
それくらい、重い重い言葉。
介護の大変さ、辛さなんて微塵もわからない私が言うには、あまりにも軽すぎる言葉ですが、友人のお父さんの言葉が切ないほど、苦しいほど、心に刺さりました。
「いっそ、あの時・・・」
その言葉は、これまで17年間支えてきたご主人の、血と肉と心の底からふりしぼった言葉。
どんなに大変だったことか、どんなに辛かったことか、その一言がすべてを語っているようで、私には友人にかける言葉もみつかりませんでした。
【お金で介護を選んでいる自分】
介護認定が4から5に上がったことで、受けられるサービスは増えますが、お金もさらにかかるようになるとのこと。
私、知りませんでした。
なんとなく、介護度が上がればお金はそのままでもサービスが充実するのではないかと思っていました。
友人のご両親は自営業なので、月々受け取る年金も国民年金のみ。
友人が話していました。
「本当は、母の状態に合わせて、介護サービスを受けさせてやるのが理想だと思っていたけれど、今となっては、母の国民年金でおさまるサービスを選ぶようになっている。
毎日でも入浴サービスを受けさせてやりたいけれど、年金の範囲でとなると週に2回が精一杯かな・・・。
結局、身体の状態で介護を選ぶのではなくて、お金で介護を選んでいるんだよね・・・」
しかたがないことだと思いました。
介護を支える家族の生活だって大事だもの。
介護サービスでまかなえないところを、家族が支える。
それが今の日本の現状。
そして、今後は高齢化社会が進むと、状況はもっと悪化するのかも・・・。
そんなことを、遠くの頭の片隅でぼんやりと考えていました。
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【学生時代の友人は一生涯友人である】
久しぶりに会った友人とは、こんな話だけではなく、昔話に花が咲いて、笑ってしゃべりまくった4時間でした。
私たちも今年50歳になります。
友人のお母さんが倒れた年齢まであと5年。
子どもが成長して手がかからなくなるのと同時に、教育費に莫大にお金がかかるようになる40~50代。
ようやく一息つくころに、今度は親の介護が始まります。
周りよりも少し早く親の介護を経験している友人には、今後も学ぶべきところがたくさんあります。
「そろそろ子どもが学校から帰ってくるね」
そう言って、私と友人は根っこが生えたファミレスのイスを後にしました。
「やっぱり最後はお金が大事だよねぇ」
そんな話ができるのも、小学校からの付き合いである友人だからこそ。
学生時代の友人とは、今後も、一生涯友人なのだということを、再認識しました。

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