高速バスの席を代わってくださいと言われた悶々

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高速バス片道3時間半の旅。
予約発売開始日の1か月前に電話をして、一番前の窓際の席を確保していたのに、当日「席を代わってください」と言われたらどうしますか?
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そんなしょーもない話ですが、たまにはブツクサ言わせてくださいませ。


【高速バス】
秋田から仙台までは片道3時間半。
高速バスに乗るのは初めてで、絶対にバス酔いすると思っていました。
私、自分で車を運転するのは、何時間でも全然平気なのですが、人の車に乗ると酔ってしまいます。
しかし、仙台までの一人旅。
ガソリン代、高速代などを考えると、一人で車で行くよりは、高速バスで行ったほうが割安だと判断したので、初めての高速バスの旅となりました。
ああー。
絶対酔う。
あのバスの排気ガス臭さ、そしてバスのガタガタ揺れる具合・・・そんなのを想像しただけで、もうすでに気持ち悪い。
これはもう1番前の窓際の座席を確保し、ウォークマンで音楽を聴きながらひたすら寝ていくに限る。
そう決心し、1か月前の発売日にすぐに予約の電話を入れました。
幸いまだ誰も予約していないということで、希望通り1番前の窓際の席を確保できました。
【座席を代わってください】
バスに乗り込むと、隣の座席には私と同世代くらいの女性の方がすでに座っておりました。
私がシートに腰を落ち着かせるとすぐに
「すみません」と、隣の女性。
はい?と、笑顔で顔を向けると
「座席を代わってくれませんか?」と言う。
私の座席は1番。隣の女性は2番。
通路を挟んで3番に、その女性の娘さんが座っていて、要するにその母娘は隣同士で座りたいので、私と娘さんの座席を代わってほしいと言うのです。
一瞬、混乱。
え?私とその娘さんの席を代わるの?
え?代わらなきゃならないことなの?
え?私の席は、通路側になるってこと?
え?別に通路を挟んで母娘で並んで座っているんだから、代わらなくてもいいんじゃない?
っていうか!
私、1か月前に電話して窓際の座席を確保したんですけど。
そんな思いが頭の中で回転しつつも、もし私が席を代わらなかったら、仙台までの3時間半の間、私は席を代わってあげなかったという後悔の念に葛藤するんじゃないだろうか・・・。
わずか2秒ほどの間にめまぐるしく頭の中の神経伝達物質は激しく行き来をし、そして笑顔で私は答えました。
「あ、いいですよ」
笑顔がちょっとばかしひきつったこと、隣の女性に悟られなかったよね?
そんなことまで気を使いながら、私は娘さんと席を代わりました。
ちなみにその娘さん、大学生かな?社会人かな?という年齢でした。
【葛藤と慰め】
そりゃあ私だって鬼ではありません。
母娘、隣同士で楽しいバス旅行に協力してあげたいとは思いますよ。
でもね、その娘さんが小学生や中学生ならまだしも、もう社会人くらいの大人。
別に通路を挟んでの隣なら、いいじゃんね!
だいたいさー。
バスが出発すると同時に、朝食と思われるおにぎりを母娘一緒に食べ始め、その後すぐに寝てるじゃないですか!(←観察してる)
寝るなら、わざわざ隣同士の席になる必要がある?
というか、私が1か月前に予約した座席を返してくださいよぉー。
私、バス酔いするから、わざわざ1か月前に電話をかけて一番前の窓際の座席を取ったのにー!
とはいえ、もしも私がかたくなに座席を代わらなかったらどうだったろう。
きっと通路を挟みながら会話する母娘の姿を横目に見ては、心が痛んだろうな・・・。
小心者の私には、きっと耐えられなかっただろうな・・・。
そんなことを考えたら、そうだ、代わってやってよかったんだよ。
と、自分を慰めたりして・・・。
しかしその後、仙台へ到着するまでの3時間半。
高速バスは、ほとんど揺れずとても乗り心地がよく、いやな排気ガスのにおいもまったく気にならず、快適なバスの旅となりました。
劇団四季の美女と野獣のCDを聴いてたら、仙台まではあっという間だったんですけどね。
【結論】
高速バスは快適で、バス酔いはしなかった。
よって、座席を代わったことで困るようなことはなかった。
しかし、気持ち的には悶々としたのは事実。
で、逆の立場で考える。
私が通路を挟んで娘と座る座席だったら・・・。
「代わってください」なんてことは言わない。
相手だって理由があってその席に座っているかもしれないということを考えたら、ぜーったい代わってなんて言えないよなぁ・・・。
でも・・・。
代わってあげなかったら、それはそれで悶々とするのも明白。
だから、やっぱり代わってあげてよかった。
その日、3年ぶりに観た美女と野獣に、すっかり心をもっていかれて、朝のこんな些細なことはどうでもよくなってしまったのです。
そして今頃思い出して、ふつふつと考えているわけです。
ああ・・・。
私って、心が狭いのね・・・。

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